2月28日 お話を伺った方 生産部長 王 浩さん
・大連盛輝服装有限公司について
会社設立6年目 従業員数約180人 生産製品は100%日本向け輸出
年生産額2,000,000ドル 年生産量150,000着
服装関係の工場を見学するのは今回が初めてだったが、まず一番に驚かされたことは、まだ20代にも満たない人たちが工場で大勢働いていたことだ。従業員の多くは、地方からの出稼ぎであり、そのほかは現地採用の中国人ということだ。西安に行った時に入ったレストランでもそうだったが、仕事が無い田舎から集団で出稼ぎに来ている人たちが従業員の多くをしめていた。労働時間は朝の8時から20時まで。休憩時間は10時からの10分間、昼ご飯と晩ご飯の時の1時間ずつしかなく、一日約10時間労働になっている。現地採用の中国人はスキルアップのたびに職場を変えていってしまい流動性はあるが、能力重視で選んでいるため教育にかかる時間は少ないということだ。出稼ぎの労働者は経験不足から教育が必要になるが、労働者の寮費と食費を会社が持っていることで転職していく人は少なく安定性があり、長期的なビジョンを持つと全体的な生産性があがっていくということだった。新人研修としては、盛輝服装にマニュアルのようなものは無く、その班のリーダーが新人の教育にあたっている。
給料面では中国という国民性か、やはり生産性を向上させるためには大連盛輝服装でも基本給料プラスαのインセンティブと罰金規則の歩合給料制が採用され、労働者の基本給は900元からはじまる。インセンティブでは、やはりどれだけの製品を作製できたかによるもので、罰金規則は出来上がった製品の質や日々の労働態度から出しているという。
中国は個人間の繋がりを重視することから利己主義になってしまうことや、50以上もの民族からなる国ということもあり、民族性や文化の違いによるトラブルが考えられる。王さんにこのような問題は無いのかと尋ねたところ、そのようなトラブルは全然無いということだった。今の若い人たちは民族性という考え方をあまりもってはおらず、民族性によってトラブルが発生するのではなくただ単に同じ出身地ということで個人間の結びつきが強くなれるというメリットがあるようだ。
開発国工場を建てた理由としては、やはり、製品の70%以上が輸出品ということで税制が10%に優遇されていることがあげられる。だが、最近は人件費が高くなってきており(人件費が6年前の会社設立時より1/3増)、近いうちに開発区にある工場は貿易専門に行う部門とし、生産工場をまだはっきりとした場所は決まっていないが、中国の内陸部に移す計画がある。内陸部はインフラや税制面での優遇がまだ整っていない問題があるが、国の動きとして整備されてきている。現在は多くの外資企業が、人件費の安い中国西内陸部やベトナム、フィリピンなどに工場を移して行っており、そのような所でもあまり時間はかからずに人件費の上昇が始まってしまう。今から内陸部に進出すると、まだ安い人件費を利用するメリットはあるが、多くの外資系企業の進出によって人員の需要が高まり、安い人件費を利用できる期間は長くは続かないと考えられる。
中国のWTO加盟について、盛輝服装の輸出相手企業は100%が日本企業であることから、毎年の製品輸出の受注量があまり変化していないため、加盟したことによる影響はほとんど起きていないということだ。
盛輝服装は6年前の設立時の資本金は20万元だったが、現在まで右肩上がりの成長を続けている。社長にすこしだけ話を伺うと、盛輝服装の誇れる点は、ほかの企業には見られない挑戦型の企業ということだ。企業活動により上がった利益は新規工場の設立や、工場内の設備の投資などに使い最近の服装関係の消費が伸びてきている流れに乗っていこうという考えを持っていた。近いうちにさらに内陸部に工場を設立したり、9000元のミシンを90台増設したりと、企業をどんどん大きくしていこうという気持ちが感じられた。工場では進料加工と来料加工の両方を行っている。進料加工を行う場合、現地から購入する原材料に税金がかかるが、進料加工の原材料にかかる税金をなくす方法があるということだ。その方法は詳しくは聞けなかったが、このようなことができるところが「さすが中国」と感じるところだった。