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現地採用者と駐在員はどこが違う?
 
 ふたつの勤務形態に加え新たに出現した第3の道
   海外の企業で働くとき、大きく見てふたつの勤務形態、海外駐在と現地採用がある。  

  前者の海外駐在は、日本国内の企業に在籍したまま、その会社の海外支社や現地法人で働くこと。基本的
には本人の希望よりも本社の意向で海外への配属が決まるケースが多く、滞在期間の長短はあれ、いずれは
 日本に戻ることが前提だ。
  それに対して現地採用は、自分の意思で海外へ渡り、現地の日系企業などに直接採用されて働くこと。この
 
場合、就職先は自分で探し、雇用期間についても、企業側との交渉により原則的
には自分で決める。
  従来はこのふたつの勤務形態だけ区別しておけばよかったのだが、実は最
近、第3選択肢が現れた。いわゆるグローバル社員である。これは世界各国に
ビジネス展開するグローバル企業が、海外での勤務を前提に国内で採用した
社員のこと。企業によっては、一般の社員の中から特に優秀な社員をグローバ
 
ル社員として選抜するケースもある。外資系企業に多いパターンだが、最近は企業活動のグローバル化を背景
に、従来の日本企業の中にもこのスタイルでの採用が増えてきた。
  グローバル社員も駐在員であることに間違いないのだが、これから海外就職を目指す人にとっては、従来の
いわゆる「駐在員」と区別して理解しておきたい勤務スタイルといえる。
 
一緒の職場で働いていても「立っている場所」は別
  実際に海外の日系企業に就職すると、日本人の駐在員と現地採用者が一緒に働くことになる場合が多い。
 
  それでもお互いの職務内容がまったく異なっていればともかく、実
際には小さなオフィスで同じ仕事に一緒に取り組む場合が少なくない。
そこでよく問題になるのが、駐在員と現地採用者の待遇面の差である。
  というのも、現地採用者は文字どおり「現地」で採用されたため、給
も現地の水準を基本に設定されている。ほとんどの国では現地の経済
水準が日本より低めであるため、現地では“高給取り”であっても、日本
 
 
で同じ仕事を続ける場合と比べると“減収”になることがほとんどだ。
  それに対して駐在員は基本的に国内企業の社員なので、給料の水準も日本並
み。結果として現地採用者の給料との間に大差が生まれるケースが多い。さらに
日本人との往復費用、引越し費用、家族の扶養手当、さらには各種の保険など、
駐在員に保障されている待遇が現地採用者に与えられることは、まずない。
  そんな現実に嫌気が差して、せっかく海外就職に成功しながら、短期間で職場
 
を去る現地採用者が各国で後を絶たない。これは本当にもったいない話といえる。
 
海外での自由を取るか待遇と安定を取るか
  確かに、現地採用者は、待遇面で駐在員に劣る場合が多い。しかし、現地採用者ならではのメリットもある。
  たとえば海外駐在員を狙って日本の大手の企業に入ったとしても、本当に海外駐在員になれる保障はない。入社後
に会社の業績が悪化すれば、海外勤務を経験しないまま海外事業所がなくなることもあり得る。また、念願かなって海
外へ派遣された場合でも、駐在先や駐在期間は会社が決定するもの。たとえ自分の希望通りの国へ配属されたとして
も、厳密にいえば自由意志ではない。グローバル社員の場合でも、海外勤務はほぼ確実に経験できるが、やはり勤務
地などは会社の意向に逆らえない。
 それに対して、現地採用者は自分の働く国、都市、職務内容、会社規模、滞在期間などをすべて自分の意思で選択
することができる。その「自由」の感覚は、人によっては何物にも替え難いものだろう。
  もちろん、給料は多いに越したことはないし、待遇もよいに越したことはない。しかし、そのような点に目を奪われて「自
分が海外就職を目指したそもそもの理由」を見失うことだけは、避けるようにしてほしい。