@国務院の派遣で2002年からフィリピンに赴任されたということですが、なぜ戚先生が選ばれたのですか?
山西大学は中国国内でも最も早く84年から外国人留学生を受け入れを始めてまして、中国語教育基地にも山西省で唯一選ばれています。当時国務院の方針で中国語教育基地から派遣するという方針があり、数名の応募者の中から私が選ばれました。
@フィリピンに行く前に中国語教育のトレーニングなどはあったのですか?
ありました。その年は雲南省で教育省主催の高等教育技術トレーニングがあり、それに参加しました。約1ヶ月という比較的短い時間でしたがインターネット上での教育、パソコンを使ったマルチメディア教育に関しトレーニングを受けました。
@では雲南で初めてマルチメディア教育を勉強されたのですか?
いいえ、98年に北京の人民大学に短い時間ですが赴任しており、その時に初めてマルチメディア教育を知りました。当時は個人的な興味で勉強を始めたのですが、後になってその教育効果の高さというのを知ることになりました。
@98年当時のマルチメディア教育というどういったものだったのでしょうか?
今のようなソフトを作るものではなく、単純にパソコンを使って図を表示してみたり、リスニングの練習を行ったりというものでした。
98年に初めてマルチメディア教育に触れてから、研究をはじめ、全国の中国語教育研究会などに参加し、自分の所属する山西大学でもマルチメディア教育を導入しました。
これは中国で最も早くマルチメディアを中国語教育に導入した例の1つだとおもいます。当時は研究会に参加している教授ですらパワーポイントで教科書の内容を説明するだけで、十分にマルチメディアを使いこなせてるとはいえない状況でした。
これは現在でもあまり変わっていないと思います。
@私も以前はマルチメディア教育と言うのは聞いたことがなかったのですが、まだ一般に普及しているとはいえないのでしょうか?
以前よりは普及していますが、十分に活用できるレベルを持っている教師というのはまだ少ないです。これは教師のパソコン技術と関係が有りますし、もう1つの大きな原因としてはマルチメディアソフトを作成し中国語教育に使うというのは非常に労力がかかると言うこととも関係が有ります。
ただパソコンを使ってオンラインなどでの教育と言うのはすでに多くの大学が始めています。しかしこのオンライン教育というのは実際の授業に取って代われるものではありません。マルチメディア教育と言うのは、中国語教育の基礎の上に積み上げられたものであり、より良い授業の為のサポート的役割を果たすものです。
@では、マルチメディアを使用することにより授業にどのような効果を与えられるのでしょうか?
一番わかりやすい例は教え方の方法が増えると言うことですね、画像、音を同時に使えることで多様な授業方法をとることができます。
またもう1つは学生に耳、目など体の各器官を使って中国語を感じさせることによって、記憶力を向上させると言うことです。これは例えばリスニングの練習でもテープだけで行うのと、画像を見ながら音を聞き取るのでは全く効果は違います。
また、マルチメディアを使うと練習、復習の際も自由自在に単語、例文を探し出し学習速度を高めると言うことも可能です。教科書だけですとどうしても他人が作った教科書ですので、学生個々人の能力に合わせた復習などには使いにくい面がありますが、マルチメディア教材を自分で編集すれば学生個々人の能力に合わせた授業が行えます。
但し、教師の多くはこれだけの労力を授業に使う必要はないと考えています。確かに今までのやり方のほうが楽ですからね(笑)
@他の中国語教師が戚先生が編集したマルチメディア教材を使用すれば同じ効果が得られるのでしょうか?
それは難しいです。なぜならマルチメディア教材を作るというのは自分の授業に使う教科書を作るのと同じで、他の人が作った教材を使ってもよい効果は生まれません。もし他人の教材を使うのであれば、それを作成した教師の授業方法から勉強しなければいけません。